はじめに
数秘術に限らず、いくつかの占術は数千年以上の歴史を持つ、類稀な技術です。
今日とは異なり古代人の生活では、魂( ≒ 意識)が重要かつ日常的な存在として認識されていたため、魂の永続性や輪廻という概念を占術の対象に取り入れるのは至極当たり前のことでした。
そのため、本講座では前世をはじめとする輪廻の概念や創造の源について言及しますが、これは本講座の講師たちの個人的な世界観であると同時に、占術の性質上避けては通れない概念であるからであり、特定の宗教に過度に関与するものではありません。
数秘術はカバラへと通じ、カバラを介して占星術とタロットへもつながっています。そしてさらに、カバラのルーツを探ることで大変興味深い事実にもたどり着きます。そのいずれもが、客観性と深い洞察力をもたらすツールです。
占術という天窓から自分と自分を取り巻く世界を俯瞰することで客観的な視点を持つことができ、抽象的なシンボルを自己の周辺の現実へと結びつける工程が考察力と想像力を育ててくれます。
また、その過程で未だ科学の範疇に入りきらぬものがこの世界の大きな構成要素として堂々と存在することを強く感じ取ることができるでしょう。そして、それらとどう対峙するか?自分のスタンスを少しづつ構えていくことになるはずです。
このようにして自分と他者を深く知ることが人生にもたらす恩恵は計り知れません。
主体的に生きることは、あるがままを受け入れることにつながり、真に主体的に生きるためには自他を深く知ることが必要不可欠です。
私たちとしてはこうした興味深い分野への偏見を正し、社会から失われつつある感覚を少しでも拓くことができればと思っています。
数秘とは?
人の誕生日とポテンシャルには明確な法則性があることは遥かな古代から発見されており永い間、様々な占術が試みられ現在に残っています。
数秘術では、生年月日から簡単な足し算で算出された「4つの数字」に隠された意味を読み解くことで、その人の得意分野、適職、才能、ライフワーク、人生のテーマ、を始め、年々移り変わる運気の流れを知ることができます。これを知ることにより、様々な人生の選択において必要以上に迷うことなく、より適した生き方を計画し創造することが可能となります。
4つの数字
名称 | 英語表記 | 略号 | 使用範囲 | 別名 |
ライフナンバー | Life number | Ln | 1-9 , 11 , 22 , 33 | ライフパスナンバー , 誕生数 , 運命数 , 現在 など |
ベースナンバー | Base number | Bn | 1-9 , 11 | スピリチュアルナンバー , 過去 など |
アライバルナンバー | Arrival number | An | 1-9 , 11 | チャレンジナンバー , 未来 など |
ユニティーナンバー | Unity number | Un | 1-9 , 11 , 22 | ウラ など |
数秘のルーツ
厳密には、数秘は占いではなくて数千年の間たよりにされてきた列記とした学問の一分野です。発祥からは、かなり永い年月が経過していますが、そのシンプルさから根本的な部分は風化してません。
一般的にはユダヤの伝承、カバラ(Kabbalah)にそのルーツがあり、古代ギリシア人のピタゴラス(紀元前582年 – 紀元前496年)が数秘学として体系化したという説がありますが、
本当のルーツはどうやらもっともっと遥か古代に遡るようです。
今日の数秘
資本主義の風潮からか「現代風にアレンジ」が盛んに行われ、~式や、~数秘術という名前のいわば「オリジナル数秘」が多数存在し、ガラパゴス化の様相を呈しています。その際「原典はこうなっているところ、私のやり方ではこう変えました」という説明はほとんどないため、後に続く数秘術師により改変の上に改変が重ねられています。
そのような中にあっても、システムとしてそれなりに機能してしまうのはバックボーンになっている「数字のエネルギー」の原型となる概念や解釈がしっかりしているからです。
インターネットや解説本の数秘術解説は出典もまちまちで混乱しますので、ここでは数秘の体系を大きく
- カバラ数秘術系
- ピタゴラス数秘学系
上記2つに分けて、できるだけ混同しないように解説しています。